柑橘の皮とリモネン その2
今日は前回の続きになります。
(初めてご覧になる方は前回の記事からどうぞ★)
そして、リモネンは体内のコレステロールの生成を抑える働きもあります。
コレステロールは生きる上で体内に必須の物質ですが、
ありすぎると動脈硬化や循環器に関わる病気を引き起こす可能性が高まります。
ある実験で、ラットを人工的にコレステロール値を上げさせ、
リモネンを混ぜたえさを与えたところ、
肝臓のHMG-CoAレダクターゼ(別名:HMG-CoA還元酵素)
の働きを45%抑えたとありました。
これらの専門用語は今回私は初めて聞いたものですが、
このHMG-CoAレダクターゼは、HGM-CoAという物質を、
コレステロール生成の先駆体であるメバロン酸に変える酵素だそうです。
これらHGM-CoAやメバロン酸という物質は、
どちらも体内でコレステロールを生成する過程で発生する物質で、
その過程の中で HGM-CoA → メバロン酸 になる部分があるのですが、
その際HMG-CoAレダクターゼの力を必要とします。
研究者はこの実験でリモネンが、
HMG-CoAレダクターゼの働きを妨げることを発見しました。
これはつまりリモネンがコレステロール生成の抑えることに繋がるわけです。
そしてもう一つリモネンについて研究された作用があります。
グレープフルーツは乳がんに効果がある、
こんな迷信のような話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
これはあながち嘘でもないようです。
リモネンの抗がん作用について多くの研究がされてきています。
私も少し覗いてみたのですが、専門用語が難しく、
理解できた範囲でこのようなことが書いてありました、
ということを紹介したいと思います。
ある実験でラットを人工的に発癌させ、餌にリモネン入れ与えたところ、
新たに腫瘍の形成はされず、もともとあった腫瘍も小さくなりました。
そして今度は食事からリモネンを抜いてみると、
腫瘍はぶり返すように大きくなりました。
発癌の原因の一つにRas p21の異常があります。
この研究で研究者は、リモネンがRas p21を阻害していたことを発見しました。
Ras p21は細胞内に存在し、細胞を増やすという重要な役目を持ちます。
普通のRas p21は細胞の増殖を問題なく行うのですが、
何らかの原因で構造に異常が起こったRas p21は発癌作用を持ちます。
発癌は、異常なRas p21が細胞膜に接触すると起こります。
細胞の異常増殖をしたり、細胞を変形させたり、
本来細胞内にいるはずが細胞間に局地化したりします。
リモネンはその異常なRas p21の動きを阻止し、細胞膜への接触を遮断。
このときリモネンは発がん物質であるRas p21のみを阻害し、
他の重要な細胞機能への影響(つまり体の機能に支障が出る副作用)はない、
ということも発見されました。
この実験から、
リモネンは腫瘍細胞を殺す働きがあるのではなく、
腫瘍細胞の増殖を抑制する、ということが分かりました。
ということでした。
リモネンを日々摂取することはがん予防の一助となるということですね。
もちろんみかんの皮を食べることでもリモネンを摂取できますが、
皮に付く農薬やワックスの心配もありますし、
何といってもその味は決しておいしいものではありません。
そこで、たった1滴にものすごく成分が凝縮されている精油なら、
皮を食べるよりも効率が良く摂取できます。
リモネンの含有量の多いオレンジ、
グレープフルーツの精油をディフューズしたり、
ドテラ社のようにサプリメント登録された精油であれば、
カプセルに入れたり、ドリンクに入れて飲むことで摂取できます。
ぜひ1つは持っていると良いかもしれません♪