柑橘の皮とリモネン その1
前回のブログで少し触れましたが、
今日は柑橘系の精油に多く含まれる成分のお話をしたいと思います。
思いのほか長くなってしまったので、
2回に分けて書いていきます。
ちょっとマニアックなお話なので、
退屈してしまったらすみません。。^^;
柑橘系の精油はどこからきているのかご存知ですか?
柑橘の皮にあるつぶつぶ、実はこれが精油の正体なのです♪
でも、本来精油(エッセンシャルオイル)というのは、
単に芳香植物から取ったエキスではないのです。
ほとんどの種類の精油が水蒸気蒸留法(圧力をかけて蒸す方法)
で抽出されているように、
芳香植物に圧力や熱を加えることにより、
中の成分に化学変化を起こさせ抽出したものを精油と言います。
しかし、柑橘系の植物を抽出する場合は圧搾法と呼ばれ、
柑橘の皮に圧力をかけてすりつぶして成分を抽出するので、
熱は加えられず、圧力だけで化学変化は起きません。
こうして化学変化なしに抽出したものは、
本来 “エッセンス” と呼ばれます。
けれども、こうして取れたエッセンスも香が良いということと、
そして効果も見られるということで、区別せず精油と呼ぶことが増えました。
よくみかんを皮ごと食べると良いと言いますが、
それは柑橘の皮に含まれる成分が健康に良いからで、
つまり柑橘系の皮から取れる精油にも同じことが言えるのです☆
柑橘系と言っても色々あり、それぞれ含まれる成分は違いますが、
共通して含まれ、健康に非常に良い働きをする成分があります。
それがリモネンという成分です。
精油のリモネンは正確には2種類あり、
柑橘系やディル、ラベンダーに含まれるリモネンはd-limonene、
ティーツリーやサイプレスに含まれるリモネンはl-limoneneといいます。
(ドテラ社の成分表を参考にしています)
d-limoneneは柑橘系のシトラスのさわやかな香がする一方、
l-limoneneはそれ自体は松のような香がします。
今回はd-limoneneについてのお話ですので、
これから出てくるリモネンはどれもd-limoneneになります。
リモネンは非常に優れた抗ウイルス性、抗菌性、抗カビ性があり、
風邪などの病気やそれらの予防にとても効果的です。
胃もたれなどに良い消化促進の作用もあります。
血行を促進し体を温めてくれるので、冷え性にも効果があります。
また、リモネンはデトックス・抗酸化作用も期待できます。
人間の細胞にはグルタチオンという物質が存在し、
グルタチオンは体内の毒素の除去や、
過酸化物質を中和する働きがあり、
体内のデトックスや抗酸化作用としては欠かせません。
グルタチオンは体の細胞、特に肝臓で随時作られるのですが、
年齢とともに生産量は低下していきます。
年齢だけではなく、毒素やストレスに触れる機会が多い場合や、
慢性肝臓疾患を患っている場合も低下します。
グルタチオンそのもののサプリメントもありますが、
それらは摂取しても消化管からはほとんど吸収されず、細胞内には届きません。
そのため、体内のグルタチオンを増やすには、
細胞のグルタチオン生産レベルを上げるためのサプリメント類が必要になります。
リモネンはそれらのようにグルタチオン生産レベルを上げる手助けをします。
次回に続きます☆