アロマタッチテクニック ~4つの因子・炎症反応~
今日は3つ目の炎症反応です。
今日は以前紹介したストレスや毒素に関係しているところがあります。
炎症反応自体は悪いものではなく、
有害な刺激から身を守るための一種の防御反応と言えます。
例えば外傷を受け、そこから雑菌が体内に入り込むとします。
私たちの体はその外傷を治したり、菌の繁殖を防止しようと働きます。
それらを行うには、患部に白血球や血漿を集めなければいけないので、
血管を拡張したり、血管の壁に隙間を開け(血管透過性の亢進)、
その隙間から白血球などの防御因子が患部へ向かい、
患部に集中的に集まり治癒していきます。
このように、体に有害刺激を受けたときに免疫応答を起こし、
有害物質から身を守ることを炎症反応といいます。
しかし、炎症反応は同時に腫れや熱を生じたり、
痛みが起きたり赤くなることがあります。
それが私たちがよく言う炎症です。
炎症とは、炎症反応によって起こる症状のこと。
薬の副作用と似ていますね。
実は炎症には不快感を感じるものと感じないものがあります。
今説明した外傷によって赤く腫れたりするものは目で見て分かる炎症です。
関節炎や肺炎などは目に見えて赤くなったり腫れたりはしない炎症ですが、
痛みなどを感じれば異常は分かりますよね。
不快感を全く感じない炎症とは、細胞レベルでの小さな炎症のことです。
ほんの数分の外出でも私たちの肌は紫外線により炎症を起こしています。
細胞内で有害物質への防御反応として、
何らかの変化が行われているのですが、
私たちには小さすぎて気づくことができません。
この場合の有害物質は紫外線で、
紫外線を除去しようと多くの活性酸素が発生し、(前回お話したものです)
細胞やDNAを傷つけ、それが炎症となるのです。
前置きが長くなりましたが、
問題はこの“炎症”を受け続けることにあります。
炎症は細胞や組織を傷つけているわけですから、
慢性的に受け続ければ体に様々な弊害をもたらします。
では、炎症を長引かせる原因は何でしょうか?
炎症は、ストレスの記事でも紹介した、
コルチゾールの分泌の変化や糖分の取り過ぎでも悪化します。
コルチゾールは抗炎症作用があり非常に重要なホルモンです。
アレルギー止めに使うステロイドはコルチゾールと同じ働きをします。
しかし困ったことに、コルチゾールは炎症を抑えるだけでなく、
ストレスに耐えたり、糖分をブドウ糖(エネルギー源)に変える働きもあります。
ですので、普段多くのストレスを受けたり、
糖分や精製された炭水化物を多く摂取していると、
コルチゾールはそれらにばかり作用して、
炎症に働きかける作用が少なくなってしまうことが考えられます。
更に、先ほどコルチゾールが糖分をブドウ糖に変えると言いましたが、
その一方でコルチゾールはインスリンの働きを邪魔する作用もあります。
インスリンはエネルギー源になる血中のブドウ糖を細胞に送る働きをします。
しかし、コルチゾールによりインスリンの働きが弱くなるので、
細胞に届けられないブドウ糖は行き場をなくし、たんぱく質と結合します。
それにより糖化最終産物という物質ができあがり、
これが炎症を悪化させてしまうのです。
また、コルチゾールの分泌過多による副腎疲労で、
必要最低限のコルチゾールの分泌がされず、
炎症促進に繋がるということも考えられます。
さきほど言った目に見えない炎症の場合、
痛みなど不快感がないと気づきにくく、悪化させてしまうことが多いのです。
慢性的な炎症は肌のトラブルや老化の促進、
各臓器の機能障害など様々な弊害をもたらします。
慢性的な痛み(腰痛や肩凝り、リウマチ)も炎症が原因の場合があります。
例えば腰や肩を強打し、その部位の痛みが慢性化することがあります。
それらは怪我を完治しないまま無理をしたり、
偏った食事や、十分なコルチゾールが分泌されなかったりなど、
何らかの理由で内部で起きている炎症を悪化させてしまうために起こります。
ですので、炎症の原因である有害物質をできるだけ避けたり、
慢性的な炎症や痛みがある場合はそれらを取り除くことが必要になります。
炎症を悪化させないために食事に気をつけることも大切です。
次回は自律神経失調症についてお話します☆